元インスタントシトロン松尾宗能氏が語る90年代の福岡音楽シーン

ドリンクバー凡人会議
RKBラジオで金曜22時から放送中の『ドリンクバー凡人会議』。大名のカフェSTEREOの店主渡辺裕介さんと六本松のレコード店PARKS店主で元インスタントシトロンのメンバー松尾宗能さんをホストに、良質な音楽と最新アイドル歌謡と『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル』的ボンクラトークがクロスオーバーする、”好きな人には堪らない”系の良番組です。

この番組内で松尾さんが自身のバンド活動の開始からインスタントシトロン結成までの90年代初頭頃の福岡音楽シーンについて語っており、(服屋時代の)チクロ、ジャングルエキゾチカ、イエローサブマリンといったキーワードに反応してしまう、あの頃天神周辺をブラブラしてた「オレ、TRACKS派」な人には必聴の内容となっております。

松尾宗能生誕記念 ヤング松尾(podcast)

シトロンの長瀬さんが博多の大御所サイケバンドのメンバーだったこと、カラーフィルターの恒吉さんが元々福岡で活動してたことなど(カプセルジャイアンツ2枚目のフルアルバムが氏のレーベルから出たのも福岡繋がりだったわけか!)、個人的にも新たな発見がありました。

放送内でも言及されてますが、福岡の音楽というと7~80年代のフォークやめんたいロックにスポットライトが当たりがちで、ことさら90年代のシーンに関しては今まであまり総括されていません。しかしかつての『日本のリバプール』の血脈はサンプリング文化と結びつき非常にユニークで面白いシーンを形成していたように思います。

この90年代の福岡の音楽シーンを振り返る『ヤング松尾』の続きは明日の放送(金曜22時/1278khz)でもやるかもしれないので気になる方はエアチェックのほどを。

松尾さんがシトロンのメジャーデビューとともに脱退した背景や、熊本のジョニーディーの話とか、ナンバーガール・カプセルジャイアンツ・ノントロッポ・モーサムトーンベンダー(年代的にこの辺直撃のため)といった一際異彩を放っていた95年以降の福岡のシーンについても聞いてみたいです(この企画10週くらいやってくれないかなぁ・・・)。

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以下余談のコーナー。

福岡に住んでいてインスタントシトロンを知らない人に説明するときはまず『気ままにLB』の話題を振っています。下記2曲ともオープニングに使われていたと記憶しており、恐らく1度は耳にしたことがあるのでは?
渋谷系と言われたり地元TV局からは天神系(最悪な呼び名ですよねw)と言われてみたりでしたが、「○○系」でカテゴライズするにはもったいない、小難しいこと抜きにして単純に「いい曲!」と言いたくなるエバーグリーン感が持ち味です。

現在グループとしては活動を休止しているようですが「シトロン最近何やってんだろ?」とお思いの方は全国にも多いはず。

というわけでシトロン(今のところ)最後期仕事でお気に入りの曲を2曲ご紹介。どちらもアニメ関連です。
まずは桃井はるこさんの『Luminary』。作曲は片岡知子さん作詞は桃井さんが手がけています。シトロンは2005年発売の『魔女っ子つくねちゃん』というOVAの劇伴を担当しておりこの曲はそのエンディング。サントラはこのアニメのDVD最終巻を買わないと手に入らないというコレクター魂くすぐる仕様。

この曲は是非とも片岡ボーカルver.を聞いてみたいのと、あと福岡の地元アイドルグループにこそカバーしてほしい名曲。

続いては佐藤ひろ美さん『Forget-me-not』。作詞:片岡知子さん/作曲:長瀬五郎さん/編曲:instant cytron。
こちらはデ・ジ・キャラットの後日談『ウィンターガーデン』のオープニングで、つくねちゃん同様にシトロンが劇伴も担当しています。イントロからシトロン節(五郎節)が炸裂し、サビで胸を締め付けられ完全にノックアウトされる完璧な”いい曲”。スッと耳に入ってくるのにネオアコっぽさと松田聖子っぽさが両立していることに気づくと「なんじゃこりゃ~!」と途端にポップの海に溺れてしまいます。