福岡発成田行きエアアジア便に乗ってみた=搭乗に際する備忘録や東京シャトル深夜便乗車レポなど

今年に入ってジェットスター、ピーチ、エアアジアと福岡空港発着のLCC(ローコストキャリア:格安航空会社)便が続々就航し、通常料金でも成田まで片道5,000円強~とずいぶん安く飛行機旅行が楽しめるようになりました。しかし手荷物の大きさ、重量制限やシビアな搭乗締切、成田空港=都心部のアクセスについてなど乗る前に色々と不安が募るのがこれらLCC。

この度、以前福岡chでもご紹介したエアアジアの福岡=成田線100円航空券がゲットでき先週末遊びに行って来ましたので福岡発LCCに登場する際の備忘録をまとめておきます。

例えばクリスマス直前12/22~24の3連休でもLCCを駆使すれば13,000円程度で成田往復ができる。
スカイマークやスターフライヤーの片道分とほぼ同額。多少不便でもこの運賃は魅力的・・・。
◆今回の旅程スペック◆
使用キャリア エアアジア
行き 金曜日 福岡午前9時25分-成田午前11時15分
帰り 日曜日 成田午前7時00分-福岡午前9時00分
料金 運賃代金100円×2
   支払手数料300円×2
   (オプション)座席指定300円×2
   (オプション)受託手荷物(20kgまで)999円×2 合計3,398円(往復)
今回乗ったのはエアアジア。座席の指定や受託手荷物(カウンターで預けて到着空港で受取り)は別料金。手荷物は機内持ち込みの場合は無料です(大きさ・重さに制限あり。詳しくは後述)。
福岡発成田行きの格安便はエアアジア、ジェットスターの2社が運航していますが始発便はどちらも午前9時台と使い勝手の良い時間。しかし問題は成田からの帰りの時間が超早い・・・。
出発編
ターミナル
福岡空港でのLCCの出発は第1ターミナルです。時間にシビアなLCCでは出発1時間前にはターミナルに着いておきたいところ。1タミは空港の一番端になりますので荷物抱えてダッシュしなくていいよう余裕を持って行動しましょう。
エアアジアではカウンターでの発券に1,000円かかる
エアアジアではカウンターで搭乗券を発券すると1,000円取られます。従ってチェックインおよび発券はセルフでやるのが吉(セルフチェックイン)。
セルフチェックインについて
セルフチェックインには①ターミナル内のチェックイン機に予約番号を入力して発券する方法と、②携帯またはPCでチェックインをして搭乗券を(自宅のプリンターなどで)印刷しておく方法があります。

①は出発1時間前で受付終了。②だと時間の余裕はできますが「出発時刻の20分前に搭乗ゲートは受付終了」とあるため保安検査所でモタついた時を考慮すると最低でも30分前には空港に到着しておきたいところ。

また②の場合でも、「受託手荷物がある場合は、出発時刻の45分前に手荷物受付カウンターの受付が終了」のため、最低でも45分前に着いておく必要があります。
結局空港には何分前に着けばいい?
LCCはこれらの受付時間に非常にシビアなため余裕を持った行動が要求されます。いかなる場合でも「出発の1時間以上前に空港に着いておけばOK」とザックリ覚えておくと良いでしょう。

ちなみに私は出発前日にエアアジアのサイトがダウンし②の方法が使えず福岡空港カウンターでのチェックイン・発券となりました(メールにて「手数料無料」のアナウンスあり)。

帰りの便はスマホでチェックインし(エアアジア提供のチェックインアプリが使えず、モバイルサイトも何故か表示されないので2時間くらい往生しました)、メールで送られてきた搭乗券のPDFをセブンイレブンのネットプリントで印刷して持参しました。しかし成田空港には出発2時間半前に着いたのでマッタク意味がなかったですけどw
駐車場
車で来られる方は第1ターミナル寄りの民間駐車場(1日800円程度)が徒歩3分ほどと、安い・近いの2拍子揃ってて便利

大きな地図で 福岡空港民間駐車場 を表示
持ち込める手荷物の大きさについて
一般的なキャリーバッグ+ハンドバッグorPCケース(ブリーフケース)を1個持ち込めます。私が乗った便ではほとんどの人が荷物を預けずに機内へと持ち込んでいました

大きさおよび重量の制限は「各辺の長さが56cm×36cm×23cm以内」「総重量7kg以下」。こう言われてもピンと来ないと思いますが、ニッセン辺りで売られている「機内持ち込みOK」と書かれた1泊2日用のキャリーバッグなら大きさは問題ありません

重さについては、先述のキャリーが1個3kg程度ですので中に荷物を入れ、それと別にハンドバッグを1つ持ち込めば7kgなんてあっという間でしょう。従ってキャリーを持ち込んでいた人の殆どが重量オーバーだったと察するのですが、行き帰りともに重量検査は行われませんでした。荷物問題に関しては今のところ黙認状態なんでしょうか。
フライト編
座席のピッチ
最後部座席とシートピッチ。
3人掛けシートで前後のピッチも狭いですが、2時間程度なら充分耐えられる感じ。行きは「狭っ!」と思いましたが帰りの便ではすでに慣れてしまいました。

狭いと聞いていたので、ならば「気兼ねなくリクライニングできる」ようオプションで最後部座席を指定したのですが、最後部だけリクライニングできないことが乗ってから発覚。注意が必要ですw
座席から富士山が見れるのは・・・
行きも帰りもどちらも左側座席です。下の画像はANAの飛行ルートですが恐らく同じルートかと。
ただし、行きはすっごく小さいです(写真上)。写真でも分からないレベル。反対に右側座席からは煙を吐く三宅島が見えます(写真下)のでこちらのほうがオススメかも。
成田からの帰りは左側座席で富士山が目前ですのでオススメ。登山道までハッキリ見えるレベル。他に横浜港、京都市街なども見えました。反対に右側座席は離陸直後に東京都心部が見えるはず。
座席選びのコツ
座席指定する場合はトイレが近い人は通路側が良いでしょう。3人がけのシートは前後のピッチが本当に狭いので窓側座席だと他の2人に立ってもらわないと出られません。従って隣の人が寝ると詰みます。

景色を楽しみたい方は窓側座席を上の写真などを参考にお好みで。

また、前方座席は人が多かったですが後方座席はスカスカ。(CAさんに声をかけて)座席の移動が自由でした。座席指定をせず運悪く3人がけの真ん中など窮屈な座席に当たった場合は一声かけてみるといいでしょう。

座席指定の300円を払うべきか否かは乗る便の時期・時間帯が混雑するかどうかで判断する感じでしょう。混雑して無ければ前述の座席移動で快適に過ごせるはず。アドリブ力(りょく)が問われます。
成田=都心部のアクセス
LCC向け格安高速バスが運行
これまで成田=都心間のアクセスは京成電鉄(アクセス特急で1,200円程度、約1時間)が主流でしたが、LCC国内線の就航で京成バスが『東京シャトル』を、平和交通が『THEアクセス成田』を運行開始。成田空港からは同じバス停から交互に30分毎に発車しており運賃は1,000円。東京駅八重洲口まで約1時間程度と便利です。

この成田発のバスに関しては従来の京成線と比べると、

①バス停が到着ロビー出口すぐで移動が楽。
②荷物を預けられる。
③ディズニーリゾートや東京都心部など首都高の景観が楽しめる。

といった利点があり、まだマイナーなのか座席にも余裕があるため(50人乗りのバスに乗車10名程度)今後はこちらを使うことが増えそうです。

ただし首都高渋滞の可能性もあるので時間にシビアな方は京成線に乗ったほうが良いでしょう。
問題は都心部から成田空港への帰り
行きは非常に快適だった高速バスですが、帰りはかなり閉口してしまいました。完全にこちらの対策不足だったのですが・・・。皆様が同じ轍を踏まないように情報共有をば。

成田発福岡行きで安い価格(セール価格)で乗れるのはエアアジアの7時発、ジェットスターの6時発、7時15分発、大体この3便で(私が取った100円航空券もこの時間しか設定されてなかった)出発がメチャクチャ早いのです。

先述の通りLCCに搭乗する際は出発1時間以上前には空港に到着しておきたい。しかし京成線ではどんなに早く着いても6時30分前後と事実上使えない状態。(筆者の知人は「日暮里0507発の京成始発ダッシュで2回搭乗した」とのことですがリスクが高すぎるのでオススメしないw)

従って成田の早朝便に間に合わせるには、深夜発の高速バスを使う成田空港近郊で宿泊するかの2択。しかし宿泊代を払っていてはわざわざ不便な成田発早朝便を使うメリットが薄くなります。実質的には高速バス(東京シャトル)1択というのが現状でしょう。
東京駅八重洲口1時30分発『東京シャトル』乗車記
発車までの時間のつぶし方
今回の旅では1時30分東京駅八重洲口発の高速バス『東京シャトル』を利用することにしました。成田空港着は4時30分。本来なら1時間で到着するルートを3時間かけて行く特殊なバス。どういうことかというと、空港目前の東関道・酒々井PAで2時間停車して待機するため3時間もかかるのです。

知人と渋谷で別れ23時30分ころに東京駅に到着しましたが、周辺は意外にも24時間営業のファミレス、ファストフード、ネットカフェの類がありません。開いている店といえば居酒屋か牛丼屋が多少ある程度。ひっそりと寂しい感じです。

面食らいつつ八重洲口周辺を歩くと早朝まで営業しているキャッシュオンデリバリー式のアイリッシュパブを発見しそこで待機することに。店内は騒がしいですが、ソフトドリンクや食べ物も充実しており店内で上映されるプレミアリーグの試合を見ながら過ごすことにしました。

周辺にはカラオケ店もありますが深夜帯は1時間1,000円、フリータイム3,000円くらいとコスト的にオススメできません。他にもこういう店も開いてましたが多分アダルト系。
神田や秋葉原で過ごすのもあり
東京駅のお隣の神田、あるいはもう1駅先の秋葉原に行けばネカフェが豊富ですのでそこで時間を潰して山手線最終で東京駅(1時3分着)に入るのもありです。検索すれば沢山出てきます。
東京シャトル深夜便に乗車する際の注意点
私が乗ったのが明けて日曜日1時30分の便。事前にこのバスに乗った人のブログをいくつかチェックしたところ、「乗車人数は数名とガラガラ」というような記述があり、また行きの成田発のバスがガラガラだったことから「車内で横になれるな」などと甘く考えていたのですが・・・。

発車15分前にバス停へ着くとそこには行列を作っているではありませんか。列は2列。予約済みの人の列と当日組の列。予約済みの人から先に車内に案内されますが(座席は自由)、行きと同じくガラガラの車内を想像していた私は当然ノー予約。当日組の最後尾に並ぶことに。予約組でみるみる埋まっていく車内を見ながら「やべぇこれ最悪乗れないかも・・・」
東京シャトル深夜便に乗るときは予約!絶対!!
結局15分前に到着しても最後尾だった私と連れの2人ですが、50席ほどの座席はちょうど我々で満席。当然隣同士に座ることはできず、それぞれ何故か開いていた豊満な男性の隣の席に座ることに。予約さえしていたら隣同士で座れて多少は気が楽なのですが。

バスの予約は楽天トラベルおよび発車オーライネットなどで行えます。いま空席状況を見たところ1時30分の便はかなりの勢いで埋まってますねこれ・・・。(発車オーライネットの方が割り当てが多そうです)。
パーキングでの2時間待機は結構過酷
定時に発車したバスですが夜の高速は当然ながら順調。1時間足らずの2時15分頃、待機場所の酒々井PAに到着しました。するとドライバーさんから「今から15分のトイレ休憩を取ります。その後2時間こちらで停車します。」という主旨のアナウンスが。

車外に出てみましたがあるのはトイレと自販機と松屋の移動販売車(24時間営業らしい)のみ。

トイレ休憩を終え全員が車内に戻ってきたところで再度アナウンス。「今から車内を消灯し入り口を閉めます。次の発車は4時20分を予定しています。」

つまり寿司詰めの車内、暗闇と静寂の中2時間弱軟禁というわけです。これが自分にはかなりきつかった。
ひたすら重く暗い時間を過ごす
本来は仮眠を取るための時間なのでしょうが環境が環境だけに寝れるわけがないwさりとて会話することもできませんのでひたすらスマホをポチポチ(バックライト輝度を極限まで下げて)しながらやり過ごします。

中には寝落ちしてイビキをかく人もいましたが静寂の中かなりの勢いで車内に響きます。この静けさ、姿勢を変える時の音にすら気を使うレベル。旅を終えての午前3時過ぎ、眠い、眠いけど寝れない。ひたすら重く苦痛な時間。
女性にとっては特に苦痛かも
車内には女性の一人旅らしきお客さんも数名乗車していました。自由席で満席の車内では当然知らない男の人とも相席になるわけですが、男性の私でも苦痛に感じたこの時間、女性にとっては更にハードなものだったでしょう。

真っ暗な車内での見知らぬ男性との相席は並の女性なら恐怖感もあるはず。ここはバス会社が気を利かせて女性同士を並べたほうが良いでしょうね。
無駄に待機するなら4時30分発のバスで良くね?
過酷な時間を過ごし結局バスは定刻の4時30分に成田空港に着いたわけですが我々が乗る飛行機は7時00分発。それから2時間30分ほど更に待機が続くわけです(実際は搭乗手続きなどありますが)。

先ほど静寂の車内で待機中にスマホで東京シャトルの時刻表を見ていたのですが、八重洲口4時30分発成田空港5時30分到着という便があるではないですか!飛行機にはこれで充分すぎるほど間に合う。

寝れない仮眠タイムという無為な時間を過ごすくらいなら八重洲のアイリッシュパブであのまま飲み明かし、4時30分発を待ったほうが良かったかもしれません。

しかし4時30分、これに間に合う東京駅着の電車は1本も無いのですがどういった人が乗るのだろうか・・・。
成田空港入港時は身分証明書の提示が求められます
成田空港では空港を利用(送迎、見学含む)するすべての人に対して本人確認を行なっています。これやってるの日本の空港の中で唯一成田だけらしいです。

バスでの入港の際は警備員がバスの中に入ってきてひとりづつ確認を行います。身分証明書(免許証・保険証など)を必ず携行しておきましょう。

ちなみに私の隣に座っていた男性は証明するものが何も無かったらしく、クレジットカードを提示していましたが警備員から「OK!」と言われていました。何がOKなんだよw
成田でのおみやげ購入について
成田空港の売店は5時ころからオープンしていました。軽食や雑誌、飲み物などが中心でしたが土産物もチラホラありました(福岡1タミの売店みたいな感じ)。おみやげを忘れた際はここで都合が付けられそうです。

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以上、私のLCC搭乗記でした。

成田利用で福岡から東京に行く人は今後も増えていくでしょうから何かの参考になれば幸いです(多少不便でも圧倒的な安さは魅力的ですもんね)。

都心へのアクセスも座席の狭さも許容範囲であとは成田の早朝待機問題だけがネックかな、と。これらも京成電鉄がLCC対応で早めの始発を出すか、八重洲口周辺にネットカフェができれば一気に解決しそうです(仮眠取って4時30分発に乗車)。八重洲口のネットカフェは、私がお金を持っていたら今すぐにでも出店したいまであります。これを見てるそこのお金持ちのあなた!ネカフェ出店でサクセスしませんか!