福岡市、ネット上で反発が多かった”中国政府公務員の研修受け入れ”に関してQ&A集を公開

Youtube「Fukuokachannel」より。
ちなみに我々「福岡ch」の方が設立先ですハイ。
関連記事:福岡市、年間800人の中国公務員受け入れを発表。ネットでは戸惑いの声も。

福岡市は7月6日 中国政府(国家外国専家局)と人材交流及び協力の覚書を締結。これにより来春より年間800人規模の中国公務員を受け入れ、福岡市の都市づくり(ゴミ処理、水資源の確保など)に関する研修を行います。

このことに関する市長声明で「ここから先は有料ですよ、なんてことはやらずに技術は全て公開する。地球は一つです」と発表したことからネット上では「日本のインフラ技術と運営ノウハウをタダ同然で教えていいものか?」「一自治体の独断で環境ノウハウを公開したら国内企業は商売上がったりでは?」といった懸念の声が多く上がっていましたが、ちょうどこれに呼応する形で福岡市webサイトでは『今後想定される研修内容に関するQ&A』が公開されています。

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Q1 今回の研修受入れで技術流出の心配はありませんか?

研修対象は,すでに公開されている市が有するノウハウに関するもので,
企業が有する特許や秘密に関わるものではありません。

Q2 今回の研修内容はどのようなものですか?

今後想定される研修内容については,都市デザイン,高齢者,水資源,環境などについて
学んでもらうことになりますが,滞在期間が短いことから,視察や講義が中心となります。

「都市デザインに配慮した都市づくり」は都市景観や緑化について,
「高齢者が住みやすい都市づくり」は高齢者福祉施設の見学やケアの実態について,
「水資源を大切にする都市づくり」は節水型都市づくりや上下水道施設の見学,
「環境に優しい都市づくり」はゴミ処理技術「福岡方式」の講義や関連施設の見学などが考えられます。

Q3 ゴミ処理技術「福岡方式」や「海水淡水化」の技術は流出しませんか?

研修する技術については, 温室ガス削減効果が高いことから,国際協力機構(JICA)や
国連ハビタットと連携し,アジアを中心に海外へもすでに積極的に公開・普及を図っている
ゴミ処理技術「福岡方式」のようなものに限られます。

海水淡水化についても,行政が持つ管理運営ノウハウの研修であり,企業の特許にかかわる
コア技術などは,福岡市が保有するものではなく提供できません。
したがって,技術流出の問題は発生しないと考えています。

Q4 今回の研修は,一度に800人を受け入れるのですか?

一度に800人の方を受け入れるのではありません。
  福岡市としては,これまでの研修受入れ実績から,1回当たり30人~40人ずつ受け入れると
  仮定し,年間の受入れ目標を800人としたものです。

Q5 もし,研修期間中に不法行為などが発生したらどうするのですか?

  日本の法令を遵守することが当然です。
  万一,そのようなことが起こった場合は,関係機関と連携をとりながら日本の法令にしたがって適正に対処します。

ソース:福岡市
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ざっくり要約すると、「中国政府に提供するノウハウはあくまで行政が有する部分のみで企業独自が有するものまでには至らない」ことを明かしています。

また、福岡県内では昨年末、筑後地区の工場に研修目的で来日した中国人十数人が脱走、行方不明になる事件がありましたが、研修生の不法行為に対しても「日本の法令にしたがって適正に対処する」としています。