【たまに行くならこんな店】室見のシブ過ぎるもつ焼き屋『くらり庵』


地下鉄室見駅を降り『スーパーかどた』の前を通って1本の路地を入ると妖しく光る看板が見える。このあたりに長年住む人の話では「お店は30年以上前からあるし、それよりもっと前、50年くらい前から同じ場所にもつ焼きの屋台があったっちゃないかな?」とのこと。

縄のれんをくぐると女将がもつを焼くカウンターとそれを取り囲むように木の椅子が6席ほど。それから店の奥にはテーブル席がありそれぞれに違った花が飾られています。まるで小津映画にでも出てきそうなノスタルジックな店内にテンションも上がります。
メニューは大雑把に酒!もつ!and more・・・。以上。

メニューにラーメンがあるところが気になったのですが、この店に連れて行ってくださったハードコアなラーメンマニアの伊賀さん(仮名)いわくここのラーメンは「マズイ!でもウマイ!」。

なんでもお酒を飲んだあとの程よい酩酊状態に食べると調子良く、「ラーメンにもつ焼かけて食べるのにハマっとる」とのこと。薄めのスープに濃い味のもつがマッチして美味らしいですよ!
メインはもちろん『もつ焼(400円)』。見た目は小皿にちょろっとに見えますが、実際はモツがゴロゴロ入っててボリューミー。たぶんモツ鍋1人前よりちょっと少ないくらいは入ってるんじゃないでしょうか?

味噌ダレで焼いたオーソドクスなものですが甘くない関東ライクなホルモン焼きだったのが意外。にんにくが効いており濃い目の味付けはお酒のアテにぴったり。モツもプリプリしてて新鮮です。
こちらはサイドメニューの『おでん(1個150円)。写真で分かるように大根も卵も真っ黒。これでもか!と味が染みています。

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「もつ焼きと芋のロックばちょうだい」

一見さんでも気兼ねなくひとり呑みできる雰囲気が最高です。ドラマ『北の国から』の黒板五郎(田中邦衛)を意識しながら背中を丸めて焼酎をちびりとやりたいところ。

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福岡の古い店にも関わらずこの店に私が感じたのが東京。辛めの味付けや店内の雰囲気、「酒を呑む」というシンプルな目的で来店している客層のストイックさを含めて神田駅ガード下あたりの酒場の雰囲気を彷彿させます。

といった意味で福岡になかなかない類のシブイお店。皆様も是非一度。

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ちなみに伊賀さん(仮名)は帰宅する私を見送った後、もう一度店に戻り、もつ焼き入りラーメンを食べて帰ったそうです(笑)。