「ABブラザーズのB」こと松野大介氏がブログ終了を宣言「ネット的なものに価値を感じなくなった」

松野大介論
1980年代にお笑いコンビABブラザーズの一員(相方は中山ヒデちゃん)として活躍し、現在は小説家・コラムニストとして活動している松野大介さんがブログを終了することを発表しました。

松野さんは今日15時36分、自身のブログ上に「とりあえず終わりについて」というタイトルの文章を投稿。冒頭で、大津市の中学校で起きたいじめ事件に関して、ネット上で”いじめた人間をいじめる”展開になっている現状に「1億総評論家だね」と苦言を呈しつつ、事件とは無関係の一般女性の写真を加害者の母親と間違ってブログに誤爆したデヴィ夫人も批判。ネットコミュニティを取り巻く環境に嫌気が差したのか、以降このように綴っています。
「一年前から思ってたけど、オレがブログやってる意味ってないよね。」
「作家や名前出してる人のブログは基本的にファンが閲覧するものだから、仕事のいっかんなわけだよ。オレはご存知のように最低の部数を記録して永遠に本は出ない(※)。」
※2008年の著書『マイホーム・ソング―ひばりちゃんとうたうかあちゃん』のこと。「2年かけて執筆し2年かけて版元を探し発売にこぎつけたものの1,000部程度しか売れなかった。(吉田豪談)」いわくつきの作品。このことがきっかけで松野氏は一時ホームレス寸前の状態まで陥ったらしい。
「本は出ないんだから、他の作家みたいに「いつも読んでくれてありがとう」とか新刊の宣伝とかありえないんだし、正直な話、コラム的に書いて閲覧してもらってもそれが金に換算できないわけよ。」
「(他の作家は)ブログ自体は無給でもブログの文と本の文をセットでお金にしているわけ。オレにはないもの。」
「書くなら、ネット上の垂れ流しではなくて、正式な活字でやれるようにしなきゃね。あと、詳しく言わんけどネット的なものに価値感じなくなった。というわけでブログは終わり。」
とブログの更新を終了することを明かしています。

松野氏がABブラザーズ時代のことを下敷きに書き下ろした99年の名著『芸人失格』を思い出しました。
「テレビがくだらない」
「今までは素人がやっていたことを芸能人がしている」
「(元相方を指して)芸は何もない」
かたや日テレの顔、かたやホームレス寸前。売れっ子となった相方への妬み嫉みにも聞こえますが、あれから10数年、テレビ(特にバラエティ)は凋落の一途をたどったわけで。ひょっとしたら彼は10年先に生きている人なのかもしれません。

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