mixiが『足あと』機能を改修/反対派コミュの参加人数15万人超え 問題点はどこにあるのか

『足あと』を廃止。『先週の訪問者』へ。 photo by mixi.jp
日本のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)サイト『mixi』が『足あと』機能を改修したことでユーザーに波紋を呼んでいる。

『足あと』機能とは、誰かが自分のページ(マイページ)を訪ずれた際に訪問者の名前および訪問日時が記録されリアルタイムに一覧として表示されるものである。世界最大のSNSである『Facebook』にはこういった機能は無く、ユーザー同士の細やかなコミュニケーションを志向するmixiを象徴する機能のひとつであった。

mixiは6/13(月)、その『足あと』機能を廃止し『先週の訪問者』機能へ変更。ユーザーの多くはこれを改悪と捉え、『mixi 足あと機能改悪反対!』コミュニティには15万人を超える参加者が集まっている。いったいどこが改悪なのかを詳しく見ていこう。


『mixi 足あと機能改悪反対!』コミュニティが掲げる3つの改悪点は以下の通り。それに加えて独自に解説(黒字部分)を付けてみた。

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「リアルタイムでない訪問履歴では意味がない」
コミュニケーションにはタイミングとスピードが重要。1週間ものタイムラグを置いて、訪問者の履歴をお知らせしてもらっても意味がない。 

-ログインして確認したところ早速訪問履歴が残っていたため、1週間後にまとめて表示されるというわけではなさそう。しかし訪問された日時は記録されないよう変更されていた。

「すべての足あとが表示されないのはセキュリティ上不安」
新しい『先週の訪問者』では、「友人」「友人の友人」「mixi同級生」「同僚ネットワーク」 しか表示されない。つまり本人とこれでは、何らかの悪意を持つ誰かが「ログイン時間のチェック」を繰り返すなどのストーカー行為を繰り返していても対処ができくなる。また、誰が日記を読みにきたかもわからない。
-自分と縁もゆかりのない人(つまり『マイミク』や『マイミクのマイミク』などではない人)の訪問は履歴が残らない仕様に。特定のユーザーに自分のページを見られないようにする『ブロック』機能もあるが、今回の改修でブロック対象者の選別がやりづらくなるという弊害が考えられる。またマイページの表示項目は個別に公開範囲を設定でき、極端に言えば知り合い以外には何も公開しないということもできるのだが、「日記は多くの人に見てもらいたい。しかしストーカーチックな輩はお断り!」という人にとっては不都合が生じそうだ。

「足あとからの交流がなくなる」
見に来てくれた人がわかるからこそ、日記を書くモチベーションもあがるというもの。また、「『足あと』を見てお礼に“訪問返し”をする」という交流もできなくなってしまう。
-これはユーザーのmixiの使い方によるが、足あとや日記へのコメントがきっかけで意気投合してマイミクやリアル知人になるといったmixi独特のコミュニケーション文化が形成されてきたのも事実である。
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記者はmixiの利用に関してはおもに情報収集と、たまにリアルの知人とこじんまりとしたコミュニケーションを取る程度(携帯に直接メールで済む話)なので、今回の改修はマッタクと言っていいほど影響がないのだが、マイミクや訪問者数がわりかし多めで、mixiを能動的に利用している方には改悪と捉えられるのかもしれない。

以前はこの『足あと』が原因のイザコザも良く聞いたもので、「○○さんは日記書いても見てくれないからマイミク切った(削除した)。」とか、「日記書いても全然足あと付かないから空しい」とか。しかしこういったものに嫌気が差した人々はとっくの昔にmixiの利用をやめているだろう。

今回の改修は『Facebook』をはじめとしたSNSの世界基準に歩調を合わせたものだと思われる。しかしFacebookを選択せず今なおmixiに留まるユーザーはそれを求めていないはずなのだ。その象徴的な出来事として昨年、メールアドレスからmixiアカウントを検索できる機能(Facebookに実装済み)を実装しようとしたところユーザーからの猛烈な反対にあい事実上の廃止となった。mixiのFacebook化はどうやら現行ユーザーには歓迎されていないようである。

ユーザー数が横ばいからやや減少気味とも言われるmixi。既存のユーザーを意識した保守路線で行くか、世界基準へと舵を切る変革路線で行くか、選択を迫られている状況だ。