産地直送!ご当地ローカルアイドルカタログ2011

ひめキュン写真缶
いまローカルアイドルがアツイ。それまで町おこしや地域の名産品のPRなどで登場するマスコットといえばひこにゃんを始めとする『ゆるキャラ』や離島戦隊タネガシマンのような『ローカルヒーロー』などが一般的だったが、近年ではAKB48のブレイクを背景に日本全国でご当地アイドルグループが続々と誕生している。今回は地方に拠点を置きながら全国的にも名が知られている、いわゆるトップクラスのローカルアイドルたちを日本列島北から南へズラリと厳選したのでご紹介します。
~弘前から世界に発信!~青森県代表『りんご娘』
ringomusic.heteml.jp
青森県弘前市を拠点とし、地元青森の農産物や海の幸、特産品などを世界に発信する『農業活性化アイドル』。

その活動の歴史は2000年からと古く、ご当地アイドルの先駆け的存在。メンバーの名前はそれぞれりんごの品種から取られており現メンバーは『ジョナゴールド』『レットゴールド』『金星』『とき』の4名。メンバーはモーニング娘。のように随時入れ替わっており、りんご娘の妹分として『アルプスおとめ』というユニットも存在している。

先ごろ行われたさんまのSUPERからくりTVのコーナー『芸能人かえうた王新人戦』では後述する『Negicco』と熱戦を繰り広げ見事撃破。新人賞を獲得した。

~飛ぶ鳥を落とす勢いのローカルアイドル界の女王~新潟県代表『Negicco』
negicco.net
新潟の名産品「やわ肌ねぎ」のPRユニットとして2003年にCD『恋するねぎっ娘』でデビュー。当初はPR期間限定のユニットだったがその後も活動を継続。現在は『NAO☆』『Megu』『Kaede』の3人組。

2008年にリリースされたCD『Summer Breeze / My Beautiful Life』におけるPerfumeライクなサウンドメイクと振り付けが一部好事家の間で話題を呼び全国区でブレイク。2010年にはホリプロなどが主催するアイドルフェス『「U.M.U AWARD 2010」~全国アイドルお取り寄せ展~』で優勝。これによりローカルアイドル界の女王と目される存在に。今年に入ると6月にタワーレコードのアイドル専門レーベル『T-Palette Records(ティパレット レコード)』第1弾アーティストになるなどまさに飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進中である。また、アイドルと長ねぎという斬新すぎる組み合わせは初音ミクにも影響を与えたとかなんとか。

~もう「Perfumeの妹分」なんて言わせない!~広島県代表『まなみのりさ』
manaminorisa.fc.yahoo.co.jp 
Perfumeを輩出した広島アクターズスクール出身の3人組アイドルユニット。2007年インディーズレーベルよりCD『IDOL DAMA☆C』でデビュー。

先輩であるPerfumeのフックアップもありPerfumeファンの間では活動初期からその名を知られていたが、2009年に『FNSの日26時間テレビ』内のコーナー、『FNS27局対抗三輪車12時間耐久レースへの道』に広島県代表として出場したことで全国区デビューとなった。

「まなみです♪みのりです♪りさです♪3人合わせて、まなみのりさで~す☆」の挨拶はPerfumeの正統後継者であることを伺わせ、キレのあるダンスも信頼の広島アクターズスクールクオリティではあるが、サウンド面はPerfumeとは大きく異なり王道アイドルポップスといった趣である。前述のNegiccoとも古くから交流があり東京で定期的にジョイントライブを行うなどその活躍は広島県内に留まらず、いまやローカルアイドル業界を牽引する役割を担っている。

~産地直送の甘酸っぱさをお届け!~愛媛県代表『ひめキュン フルーツ缶』
画像:himekyun.jp
昨年10月に初お披露目をしたばかりと活動歴は浅いながらも既にマニアの間では人気急上昇。現在最も注目すべきローカルアイドルユニットのひとつ。1期生オーディションの応募総数が176名と、非常に少人数(同じく昨年秋に活動開始したNMB48のオーディション応募総数は7,256名)ながらこれだけのメンバーがそろったことは特筆すべき点である。

今年3月に『恋愛エネルギー保存の法則』でCDデビューを果たすと4月には地元新聞社発行の写真集『ひめキュン写真缶』をリリース。現在では地元ラジオ局で2本のレギュラー番組を持ち、地場企業のCMキャラクターも務めるなど早速地元メディアにも溶け込んでいる様子。

また、メンバーの『まゆり』は47都道府県の美少女を集めたミンティアのキャンペーンガール『ミンティアガールズ』に選ばれており、これからはメンバー個々の活躍も期待されるところだ。

~元祖・博多のローカルアイドル~福岡県代表『HR』
画像:www.hakata-r.com
先日『HKT48』の設立が発表された福岡県。実は福岡のローカルアイドル事情は非常にカオスでこの手のアイドルグループは記者が把握しているだけでも6グループ存在している。そこに『HKT48』の参入が決まったことでさらに輪をかけて混とんとした状況となってきているのが現状だ。(※参考記事「緊急特集 HKT48始動でどうなる地元アイドルグループ!?」 fukuoka-ch.com/2011/05/hkt48.html)

そんなアイドル戦国時代の様相を呈している福岡で他より先んじて結成されたアイドルユニットがこちらの『HR』。グループ名は“HAKATA REBOOT”の略で昨年夏に結成。専用の劇場を構えており当初はAKB48などのアイドル楽曲をカバーし公演を行っていた。しかし“本家”である『HKT48』の参入が発表された現在ではオリジナル曲中心の構成へとシフトチェンジしている。

福岡のローカルアイドルの元祖として『HKT48』を迎え撃つことができるのか、はたまた共存共栄の道をたどるのか注目が集まっている。

-果たして地方から全国を狙える逸材は現れるのか

これまでタレントやアイデアを売り出すには多分にマスメディアの力を必要とした。しかしインターネット文化の成熟とともにマスメディアに頼らないプロモーションも可能な時代へと変化した。実際に『Negicco』や『まなみのりさ』はインターネットの掲示板や動画サイトをきっかけにクチコミで全国に名が知られるようになり、それから遅れて民放キー局が「いま話題のローカルアイドル特集」といった形で取り上げるといういわばプロモーションの逆流現象を引き起こしている。

人々の趣味が多様化し、CDが売れなくなりTVを見る時間も減った昨今ではかつての山口百恵や美空ひばりクラスの『国民的スター』の誕生は望めない現状である。しかし情報ソースが多元化した現在の状況はローカルアイドルたちにとっても好都合で、アイドルファンのような特定の市場をターゲットとするならば地方からの全国進出も充分可能だ。これからも地方だからこそ産まれる斬新なアイデアとオリジナリティを備えたローカルアイドルの誕生を心待ちにしたい。