エヴァQ 有名人・芸能人たちの感想・反応をまとめてみた

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 公式サイト

先月17日に公開され1ヶ月弱あまりで前作『破』を上回る興行収入41億円を突破した『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』

『破』公開直後は某エヴァ好き芸人の方をはじめ、各界著名人が「これが俺たちが見たかったエヴァや!」とこぞって賛辞を送る状態でしたが、今回の『Q』に関してはその内容と4部作の3作目という位置づけからか絶好調の興収とは裏腹に誰もが口をつぐむ状態となっております。

1ヶ月近く待ってもあの方やあの方の正式なコメントが届かない状況ではありますが、なんとも批評しにくいこの作品について言及した数少ない有名・著名人の方たちの反応で「これは!」というものをまとめてみました。
(参考URL http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/eva/1353157650/)
中川翔子(タレント・バルト9での最速上映直後)
エヴァQ|中川翔子 オフィシャルブログ Powered by Ameba
か、か、感想は、

人間て、すごかりし!
人類って、アニメって、エヴァって、素晴らしい凄まじいすごかりし!
心がインフレーションする!!!

もう、なにから、どう、あわあわあわ、口があいたまま、脳が沸騰したまま、最初から最後まで、あわわぁぁぁ!あれっ!えっ!まさか!そんな!エヴァじゃない!いやエヴァだ!えっ!エヴァはもう一体!うわぁぁぁぁぁぁあ!!!

10回は、みないとならないな、と、みおるとあわあわあわあわしています、

とにかく!!はやく!また!みる!字幕つけて欲しいくらい、言葉を逃したくない!(一部抜粋)
新宿バルト9での最速上映直後の未消化状態での投稿。言葉にならないながらも「これはエヴァじゃない…いやエヴァだ…エヴァって一体!?」という葛藤はこの作品を見た人の最大公約数的反応を見事に代弁しています。ショコたんギガント流石です。

中田敦彦(オリエンタルラジオ)
(公開直後・日テレ系『ZIP』でのコメント)
「いやもう本当にね…衝撃」
「こうなるか!って全部裏切られた。全部」
「開いた口が塞がらない」
「色んな感情があって今日は眠れない」
(12/2(日)オリラジトークライブ無限大で30分にわたり涙ながらに熱弁)
「もうエヴァの仕事来なくなってもいい」と涙ながらに罵ったとの情報も。あっちゃんはリアルタイム世代でありながら新劇世代メンタルも持っているという貴重な存在。綾波ヲタのあっちゃんには辛い内容に映ったようです。

サンキュータツオ(米粒写経)
【ネタバレあり】『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』 タツオ解釈DAT編 ~やはりDATは見ていた!~ | サンキュータツオ教授の優雅な生活

かなりのボリュームなのでリンク先だけ紹介。すでに劇場に6回も足を運んだというサンキュータツオ氏。

SDATを主軸に展開する「エヴァとは何か」考察はグウの音も出ないほどお見事。現時点でエヴァQをここまで深く考察した著名人はいないのではないでしょうか。一見の価値ありです。

大泉実成(ノンフィクションライター)

少年時代エホバの証人の信者だった大泉さん。その経験から神話やキリスト教をもとに鮮やかにエヴァを読み解くという、コッテリとしたまさにオールドスクールなエヴァQ評です。

また『破』であのヘタレなシンジが何故『シンジさん』になったか。私は『ぽか波』と並び唐突な印象を受けていたのですが、「自我が肥大化すると人はどうなるか」という切り口で分かりやすく解説してらっしゃいます。

『Q』の世界はシンジと監督と『破』に熱狂したオタクたちへの罰であると。

松本零士(漫画家)
速くて目が回る現代映像

 私も宇宙空間を一所懸命描いてきたが、この作品にはまた違った空間が作られている。新しいタイプの表現方法や動き、デザインだ。
 クラシック音楽の音の並び方が理路整然としているのに対し、現代音楽は不協和音を混ぜて作曲されているが、そのような表現方法の新しさで「現代音楽」ならぬ「現代映像」とでも呼べるものを切り開いた作品だと感じた。
 出てくる用語はもっともらしく、徹頭徹尾この世界を表現している。自分も劇中の画面の中にいて一緒に楽しんでいるような気持ちになる。テンポが非常に速く、目を回す人もいるかもしれないが、目が回るから面白い。
 艦船のデザインも流体力学的によくできている。曲線のつながりや動き方を上手く描くのは好きじゃないとできないものだ。色彩感覚もよく、速く動くのにキャラクターの識別がしやすい。(漫画家)

(朝日新聞クロスレビューより)
松本零士先生からの貴重なコメント。宇宙描写と戦艦デザインにスポットを当てた実に松本先生らしい批評です。

稲垣早希(タレント)
私とシンクロ アスカを追う

 エヴァの最大の魅力は、すごくきれいでかれんな戦闘シーン。ほかにも「ロボット」アニメはありますが、見せ方が独特やと思うんで気持ちが良いんです。今回は、好きなアスカという女の子の戦闘シーンが多くてうれしかった。
 それに14歳だったシンジらの14年後を描いていて、私とシンクロしたなと。私がエヴァを見たのが14歳のときで、いま28歳なので。
 私は人見知りなところがあって中身はシンジのようやけど、ガツガツといくアスカのような勝ち気な子に憧れてきた。中学生で「アスカになりたい」と思い、声まねの練習をめっちゃして。仕事でネタにし始めたのが約5年前です。
 アスカはすごいツンケンしているけど、弱いところがあって虚勢を張って頑張っている。尊敬と憧れの存在。今月の単独「ネタイヴェント」でも、アスカのまねをやろうと思います。(お笑い芸人)

(朝日新聞クロスレビューより)
14歳で初めて見て現在28歳とはめっちゃ羨ましいです。(ちなみにTV放映時14歳で現在30歳の人、あるいはパイロットと同じ2001年生まれで現在11歳の人がシンクロ率100%のエヴァ的ゴールデンエイジ)

オリラジあっちゃんと対照でこちらは「アスカしか見てない人」。いかにアスカとシンクロするかを自らの生業とした稲垣さん、その生き様はエヴァヲタとして最高峰と言っても過言ではないでしょう。

岩崎夏海(放送作家・小説家)
オタク受けのシーンで遊ぶ

 庵野秀明総監督はTVシリーズのころから。ラブコメディー「翔んだカップル」や「帰ってきたウルトラマン」などのシーンのオマージュをつなぎ合わせる手法をとっていた。本来は壮大なSF物語を描くつもりだったはずだが、オマージュのコラージュが視聴者に受けたので、今回も物語よりそちらに寄っている。予想外の視聴者の反応が、クリエーターとしての化学変化を起こしている。
 庵野総監督は、自分の嫌いな「逃げる」部分をシンジに投影したと思う。シンジをいじめることでそれを批判的に描いてきたはずなのに「オタク」たちは感情移入した。オタクへの嫌悪を持って作られたコンテンツさえも消費してしまうオタクたちの開き直りを受け、新劇場版では「説教しても無駄だ。こっちも遊びで作ってやれ。」となった。解釈のゲームをしているようだ。

(朝日新聞クロスレビューより)
「もしドラ」の著者、岩崎さん。果たして制作陣が「こっちも遊びで作ってやれ」という姿勢なのかについては4作見てみないと分からないのが新エヴァの悩ましいところです。少々投げやりな文体からはエヴァンゲリオン的考察ごっこに対する疲れのようなものを感じます。

柳下毅一郎(映画評論家)


東浩紀(思想家/小説家)


東さんは「エヴァ興味ねぇ」と言いつつもエヴァQ絡みのツイートは結構あるので他のツイートに関してはツイログのこの辺を参照ください。興味ねぇと言いつつ言及しちゃう感じ、痛いほど分かります。

このツイートについて思うところがあって書きかけたのですが、長文になったので割愛します。ホント政治と宗教とエヴァンゲリオンだけは語っちゃダメ!ゼッタイ!

竹熊健太郎(編集者・ライター・漫画原作者/エヴァQ公開に触れて)


ツイートを抜粋しています。前後のツイートはこちらを参照のこと。竹熊さんは一番初めのツイートにある通りエヴァQ単体としての批評は現在も見送っています。

宇野常寛(評論家)
ダ・ヴィンチ 2013年 01月号 [雑誌]
ダ・ヴィンチ 2013年 01月号 [雑誌]

「世界はすでにインターネットと携帯電話で補完されてしまっている」「ATフィールド=心の壁:が限りなく取り払われた世界になっている」「周りに認められたい承認欲求はAKBの握手回で昇華される」等など。90年代当時のエヴァと現在のエヴァを時代背景とともにダ・ヴィンチ誌上で評論しています。